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介護施設の防災豆知識「ローリングストック法で備蓄する」

ローリングストック法を取り入れよう

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ローリングストック法を取り入れよう

「ローリングストック法」が注目を集めている

災害などの緊急事態に備えて防災グッズを備蓄することが義務づけられています。しかし、期限などの問題もあり、備蓄しても無駄になってしまうケースも少なくありません。そのような事態を避けるために注目されているのが「ローリングストック法」です。
ローリングストック法とは、非常食を賞味期限になる前に定期的に消費し、不足するたびに補充する備蓄方法です。食料を備蓄するのに有効だとされていますが、日用品や医薬品にも応用できるので、介護施設で備蓄品を保管する方法としておすすめです。定期的に点検することで、「使用しようとしたら有効期限が切れていた」という事態も避けられます。

効率よく運用するコツ

防災グッズは数が多くなるほど管理が難しくなります。ExcelやGoogleスプレッドシートで在庫管理表を作成し、賞味期限や使用期限、購入日、種類や数量、保管場所などの情報を一覧化することで、在庫を一目で把握できるようになります。ただし、Excelで在庫を管理する場合、いつ、誰が、どの商品を更新したのかを把握することが難しくなり、データやファイルを紛失する可能性もあるため、最近では手軽に利用できるクラウド型の管理システムを利用するケースも増えているようです。
ローリングストック法は古いものから順番に消費し、無駄を最小限に抑える方法です。古いものから出す「先入れ先出し」を意識することで、期限切れが発生しにくくなります。新しく購入した防災グッズは棚の奥に、古いものは手前に配置すると古い備蓄品をスムーズに消費できます。

メリット

ローリングストック法を導入する最大のメリットは突発的な災害に対応できることです。近年、大規模な自然災害が頻発しています。地震や台風、豪雨などの災害はいつ発生するか予測できません。災害が発生すると食料品や生活に必要な日用品が不足します。備蓄していても職員や入居者の数が多くなるほど、全員分の備蓄品を確保することが難しくなります。ローリングストック法で普段から食料品や日用品を備蓄しておけば、突発的な災害が発生し施設に留まらざるを得なくなっても心配はないでしょう。
通常の方法では期限が切れたものは廃棄し、廃棄した分を新たに購入することになります。しかし、ローリングストック法では定期的に一番古い備蓄品を消費し使用した個数を補充するため、期限切れの備蓄品を廃棄することはありません。食品ロスの減少にもつながります。