介護と防災~必要な知識を身につける~

災害時、介護施設ではどのようなリスクがあるのか

災害発生時のリスクとは?

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災害発生時のリスクとは?

情報の入手が困難になる

災害時は必要な情報を得ることが難しくなります。新聞やテレビ、ラジオ、インターネットなど情報を入手する手段はいろいろありますが、通常通り使用できるかはわかりません。そうなると情報が遮断されてしまいます。正確な情報をタイムリーに入手できないため、強い不安を抱えながら生活せざるを得なくなるでしょう。
家族や親族、地域とのつながりから適切な情報を得られるのであればまだ安心できますが、高齢者の中には人とのつながりが希薄な人もおり、情報面で不利になる可能性があります。

自力で避難できない

入居者の中には自力で移動するのが難しい人も少なくありません。そのような状態で災害に巻き込まれた場合、逃げ遅れてしまう可能性が高いです。もし、自力で避難できたとしても体力が衰えているので長距離の移動ができなかったり、途中で転んでしまったりといった懸念もあります。
また、24時間稼働している介護施設は日勤と夜勤のシフト制を採用していますが、夜勤は日勤に比べて職員の数が限られています。配置されているのは1人か2人、というところもありますが、限られた人数で入居者の避難をサポートしなければならないため、心身に大きな負担がかかります。スムーズに行動できるよう、環境を整えておかなければなりません。

危機意識の欠如

日本は地震や台風などの自然災害が多い国ですが、大きな災害を経験したことがない人は「自分は大丈夫だろう」と過信し、危機意識が低くなりがちです。このような考え方を持っているといざという時に避難が遅れてしまうでしょう。被害を最小限に抑えるためには早め早めの対策が重要です。日頃からハザードマップや避難経路を確認するなど、防災を意識をして行動するようにしてください。

避難生活におけるストレス

家屋の倒壊など、さまざまな事情で住み慣れた場所を離れて避難所生活を余儀なくされるケースもあります。普段とは異なる環境での生活を強いられることになるため、大きなストレスを感じます。その状態が長期化すると心身を病んでしまうことも少なくありません。心身にストレスがかかると免疫力が低下し、持病が悪化したり、認知症の悪化によって不適応行動が助長したりすることがあります。

医療機器や介護用品が不足する

避難所は物資が限られています。医療機器や介護用品などが不足すると健康を維持することが難しくなるでしょう。
また、人によっては通常通りの食事ができず、細かく刻んだり、飲み込みやすいようにとろみをつけたりといった工夫が必要なケースもあります。通常通りの生活を送るために、こうした特性に合わせた食料品や物資を準備しておく必要があります。